2018.03.05
ホームページ制作関連
MWC2018から見る今後の携帯機能とWebへの影響
去る2018年2月26日にバルセロナで、世界最大級の携帯電話関連展示会「GSMA モバイルワールドコングレス(Mobile World Congress)」が催されました。
会場では世界中のスマートフォンメーカーが自社のモバイル新機種を展示したり、モバイル機器に関わる新テクノロジーの情報公開や、カンファレンスが行われました。
今回はそれらの中から今後のスマートフォンに実装されそうな機能や技術で、Web制作に関わりのありそうな要素について考えてみようと思います。
ディスプレイ占有率の増加
スマートフォン操作面の物理ボタンを減らし、スマートフォン本体とディスプレイのサイズをほぼ同じにしたようなモデルが今後の新機種として多く発表されました。なかでもiPhone X のように、盤面と同じサイズのディスプレイ上に、インカメラやスピーカーなどの物理デバイスが食い込むようなデザインの機種が、ASUSやフランスのWikoから発表されています。
画面サイズと解像度が高精細化していくことでUIパーツのデザインやWebで扱う画像サイズも大きくなっていくと考えられますが、物理デバイスが食い込むデザインによってディスプレイの上辺がへこんだようになるので、ナビボタンを含むヘッダーがディスプレイ上辺に固定されるようなUIは見直しが必要になるかもしれません。また、物理デバイスの埋め込み位置や種類によってはディスプレイ操作のあり方が変わってくることもありえます。このトレンドが定着するのかどうか、注目しておく必要があります。
第5世代移動通信「5G」技術の実用化
「10Gbpsの大容量を低遅延通信する」ことを目標に開発されている5G通信技術ですが、2020年からの実用化に向けてプロジェクトが進んでいます。
韓国オリンピック会場でもテストネットワークが設置され、フィギュアスケート会場に設置した100台分のカメラ映像をストリーミング処理し、ユーザーが再生映像のカメラ視点を自由に切り替えて視聴を楽しむ機能など、複数の動画情報を同時に処理できるような大容量通信とそのスピードがアピールされています。
現在のWebでも動画コンテンツは増加傾向にありますが、通信できる動画の規格にこれらのストリーミング記述が導入された場合、例えばオリンピックの公式サイト上に、スワイプ操作でカメラ視点を切り替えられる動画コンテンツが掲載されたり、同様にタッチやマウス操作ができる動画規格がyoutubeに実装されたりすることが考えられます。
どういったレイアウトで共有された動画を配置するのか、どういったコーディングで動画実装を実現するのが適切か、そもそも通信が早くなってページの表示速度はどのくらいになるのかなど、気になるところの多い技術です。
AI技術の導入
端末自体の学習機能として各社導入方法を模索している段階のようですが、音声アシスタント機能やカメラなど、端末にはすでに連携できそうな機能が実装されているのが現状です。
Webからの視点で考えてみた場合、例えばブラウジング中に、よく見るサイトではAIがユーザーのサイト内のカテゴリ移動傾向やページ閲覧傾向を分析して、興味の高そうなコンテンツへのリンクをフッター部に優先表示したり、コンテンツの表示順をブロック単位で入れ替えて表示したりする機能が実装されるかもしれません。
この場合、AIと連携してリンク先を切り替えるのに使われる新しいhtmlタグや、ブロックごとの入れ替えに耐えうるコーディング方式が必要になりそうです。新しいコーディング技術が必要になることもあるかもしれません。ページ自体の構成もよりインタラクティブな変化に耐えうるものが求められるかもしれません。それにあわせた新しいCMSがトレンドになったりといったことも考えられます。
まとめ
Web業界は技術が刷新されることによって多くの影響を受けます。便利になる点もあれば裏方の技術面では処理量が増えることもありますが、有用なアドオンやプラグインも多数開発されるでしょう。潮流を上手に観察して、技術革新に乗り遅れないようにしたいですね。