2016.07.22
2017.05.16
中小企業-経営戦略
実店舗とオンラインショップの評価方法について考える
中国政府が関税を引き上げたことで、知らずに爆買いした中国人が空港で購入したものを爆捨てしているというニュースも記憶に新しいですが、 今後も爆買いが続くと見越して、中国人観光客に手厚く接客するように営業方針をシフトした百貨店や小売店は厳しい状況に置かれているようです。
私個人としても百貨店で店員が中国人の接客に追われて、なかなか接客してもらえないと感じていたので、 今回の件で中国人観光客も日本人顧客も失う小売店がでるというのは納得できます。
なぜこのようなことが起こってしまったのかというと店舗の評価基準が「売上」だからではないかと考えています。
ある種当然のことなのですがオンラインショップありきで考えると実店舗の評価を「売上」で行うと長期的な視点では実店舗の存在価値がどんどん薄れていくと考えられます。
実店舗の評価から売上を除外するという考え方
もちろん、この考え方は全てのケースに当てはまるわけではありませんが、 OtoOやオムニチャネルを実現するために、評価基準の見直しが必ず必要になると思います。
例えば店舗もオンラインショップも売上でスタッフが評価される場合、 同じ会社であるにもかかわらず顧客の取り合いが発生します。
こうなるとサービスの連動もスムーズにおこなえずOtoOの実現は現場レベルではかなり困難となります。
売上を追いかけるのはオンラインショップに任せる
年々オンラインショップでモノを買うことへの障壁が低くなる現状を踏まえると極論かもしれませんが、 オンラインショップは売上で評価し、実店舗は売上ではなく顧客満足度を評価基準にすべきではないかと考えています。
こうすることで、店舗スタッフも「沢山買ってくれる」人優先ではなく、1人1人平等に満足度向上に注力することができます。 遠方のお客様にはリピート購入はオンラインショップを案内するなど、お客様にとってベストな提案を行いやすくなるため実店舗とオンラインショップのコンフリクトも一気に解消します。
また、顧客満足度を高めれば結果としてリピート率向上にもつながり売上も後からついてくると考えています。
ただ売上というわかりやすく公平な基準に対して、顧客満足度というのは曖昧な要素を多く含むため、これを公平に数値に落とし込む方法が課題として残ります。
この部分はケースバイケースでルール化していけばいずれ解決できると感じています。