2016.11.09
2017.05.30
クリエイターの日常
東京デザインウィークの事故について思うこと
2016年11月6日、午後5時15分頃、東京デザインウィークというイベントで痛ましい事故が起こりました。
1997年から「東京デザイナーズウィーク」として開催してき歴史があり、デザイン・アート・音楽・ファッション・フードなど幅広いクリエーティブジャンルを「ゆるやかに横断・融合させる」フェス~(シブヤ経済新聞転載)というイベントだそうです。
事故が起こったのは展示物の木製のジャングルジム。
このジャングルジムが炎上し、東京都に在住の5歳の男児が死亡。父親も救助の際にやけどをし入院。救助に当たった男性もやけどを負った。四谷署によると、原因はジャングルジムの骨組みに付けられた「おがくず」が電球の熱により発火、炎上した可能性があるとみて、業務上過失致死容疑を視野に調べるとのこと。
このジャングルジムを展示したのは「日本工業大学」の建築学科の学生が所属する「新建築デザイン研究会」。ジャングルジムを照らす照明にはLED電球のライトを使用していたとのことだが、 実際は白熱灯(投光器)も使用していた。
アートという範疇で許されない事故
今回の事故の問題点についてのインタビューに答えた東京デザインウィークの川崎健二社長の言葉に私はびっくりしました。
「作品にとがった部分がないかや、高さなどは確認しているが、全部で600点ある作品の一つ一つを詳しくチェックするのは困難だった。アート作品なので、主催者側からデザインについて、いろいろ注文をするのも難しい」
アート作品だからと言って「安全性」のことを考慮しないのは違うでしょ。ましてや人が触れることができる場所に…。
上記の資料によると防災に関する記載はありますが、事故が起こってしまった以上、不備があったと言うことです。
冬場は空気が乾燥してくるのはもちろん、「投光器」を「おがくず」の近くに置くとどうなるのか、想像できると思います。「LEDライト」だって条件が揃えば熱を放ちます。ちゃんとチェックしていれば、立ち入りができないよう柵を設けるとか対策が取れたはずです。想像出来なかったでは済まされません。人が死んでるんですから。
今回の事件は、デザイン業界の端くれにいる私にとっても色々考えさせられる事件でした。