2016.10.19
2017.05.29
クリエイティブ
良いデザインはひとり歩きする
最近各メディアでアップルのロゴマークに関する記事が賑わっておりました。
諸説あった噂、実はひとり歩きしたものだった
デザイナーのロブ・ジャノフ氏によると、噛られてる意味は「ほかの果物と見間違われず、リンゴだとひと目で分かるようにしたかったから」と、インタビューで答えています。凄くシンプルな答えですよね。
ギズモードの記事では「(噛らせたのは)さくらんぼと見間違えられないため」ともあるので、諸説ある噂はひとり歩きしたものだったようですね。
さらにジャノフ氏は「バイト(byte)→齧る(bite)」という説も否定しています。
ロゴマークの「黄金比」で出来ている説も、ジャノフ氏の初期デザインは「手描き」で作られたとのことなので、今のロゴマークは黄金比かもしれませんが、当時のジャノフ氏が黄金比を意識してたかと言うと、してなかったのではないかと思います。
良いデザインは人を考えさせる
まさにこの言葉に尽きるように私は感じます。
ジャノフ氏はインタビューで「(略)Appleのロゴデザインをかじったリンゴのデザインにしたのかについての本を読んでいる時に別のことが書いてあったのです。その物語は私が実際にデザインした理由よりも面白く、物語は人から人へと伝えられ、みんなが信じるところになりました。人々がこれらの物語を信じているのは単にデバイスやロゴの装飾を愛しているからではなく、物語に特別なつながりを感じているからだと考えています。」と述べており、さらに「多くの企業が、ロゴに数多くの条件を求めるが、それは失敗の元凶だ」と述べており、優れたロゴの条件を「シンプルさ」と断言しています。
この「シンプルさ」こそが人を考えさせ、物語を想起させるものであったのではないかと、ジャノフ氏のインタビューを読みながら思うのでありました。