2016.12.14
2017.05.15
クリエイターの日常
紙媒体に携わっていた私が昨今のゲームについて思うこと
2006年の5月の発表以来、紆余曲折を経て発売されたファイナルファンタジー15が2016年11月29日に発売されましたね。
途中タイトル(旧タイトル:ファイナルファンタジー ヴェルサス XIII)が変わったりプロデューサーが交代したり、発売日が延期になったりと、ホント色々ありました。全世界が待ち望んだビッグタイトル。販売本数も初日に500万本を突破し、その盛り上がりは最高潮を迎える…はずでした。
しかしながら蓋を明けてみると…バグの嵐。ユーザーから続々とバグが多数報告され、YOUTUBEなどにアップ。その発売に暗雲を落とす結果になりました。
プロデューサーの田畑氏は発売日延長の決断をした時、理由をインタビューでこうコメントしていました。
もともとは大規模なDay 1パッチを予定していたと説明。しかし最終的にはオフラインでプレイするファンが最高品質のゲームを体験できないような状況を作りたくないと感じたという。「最初はそれでも大丈夫だと、全ての追加アップデートをDay 1パッチに収録することができると思っていました」と田畑氏はIGNに語る。「ですがその段階で、世の中にはインターネットに接続していなくて、オフラインの環境でプレイしている人がおそらく沢山いるということを知りました。今思うと、そのことに気がつき、この決断を下してよかったと思います」(IGNの記事より引用)
紙媒体は常にオフライン
紙媒体なら誤字脱字などが判明した場合は刷り直し。カタログなら修正箇所を印刷し、カタログに挟んだり…。下請けのミスなら下手をすれば莫大な違約金(何十万部も刷った日にはもう…目も当てられない…)を下請けが支払うこともあります。後から修正すればいい、なんてことは紙媒体では出来ません。ゲーム界隈では有名な誤植「インド人を右に!」なんて当時の担当者は冷や汗もの(ゲーメストは誤植の宝庫でしたね 笑)だったと思います。
ユーザーの期待に応えるため、一生懸命開発されていると思いますが「バグが見つかったら修正パッチを当てればいい」と考えているのでは?と感じてしまう時が最近あります。
今回のファイナルファンタジー15においては「ネットに繋げないユーザーのため」に、発売日を延期してまで詰め作業していたのではなかったのでしょうか。結局発売日に膨大な容量の修正パッチを「ネット経由で当てなければならない状態」はなんだかなー(©阿藤快)と思います。
ユーザーの期待に応えるということはどういうことなのでしょう。そんなことを考える今日この頃です。