2018.01.19
Webマーケティング
DEVILMAN crybabyから見るメディア表現の変化
往年の問題作が現代に蘇った
2018年1月5日にNetflixから独占配信された「DEVILMAN crybaby」をご存知でしょうか。言わずと知れたあの永井豪原作「デビルマン」のアニメ化です。
【ご注意】未視聴でこれから観る!という方は、解説上多少のネタバレを挟みますので、視聴後お読みいただくことを推奨します。
DEVILMAN crybaby(略称 デビルマンCB)、凄いです。原作のエグみをキレイに消化しているなかなかの傑作になっております。
漫画版デビルマンの連載開始は1972年6月。もう46年も前なんですね。しかし殆どの方は同時期に放送されたアニメ版の印象が強いでしょうかね。
私は小学生でアニメの再放送を見て、高校生の頃に漫画版を読んで大きなトラウマを抱えた人間です…。何せアニメ版と原作漫画は、全く違うものと言っても過言ではないですからね…。
話が逸れましたね、戻しましょう(笑)
このデビルマンCB、観てみると現代のメディアを上手く取り入れお話が構成されており、しかもそれが物語の進行に重要な位置づけとして描かれているのが新鮮でした。
01:ヒロイン牧村美樹の違い
例えば主人公、デビルマンこと「不動明」が居候させてもらっている、牧村家の長女でヒロインの「牧村美樹」。
原作では天真爛漫で活発な普通の美少女。正義心が強く、デビルマンになり男らしくなった不動明に恋心を抱くのだが、デビルマンCBでは陸上部に所属するスポーツ少女でメディアの取材も多く、雑誌のモデルを努めたりする。SNS上での発言にも影響力がある。といった風に随分現代風にアレンジされています。
02:メディアの扱い
原作ではメディアのメインはテレビで、衛星中継で全世界の凄惨な世界を人間たちは知ることになります。
ちなみに日本で衛星中継(伝送実験)が行われたのは1963年11月23日。初めて流れた映像は、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディの暗殺ニュースという衝撃的なものでした。
一方デビルマンCBでは、とあるイベントで全世界に人間を襲いまくる悪魔の姿が放送、配信されるが、あまりの惨劇にテレビ中継は倫理の観点から放送を中断。
しかしネット配信は中断せず(中断しようとしたMCに、飛鳥了が「ヒット(PV)数が稼げるぞ」と誘惑する)そのまま配信する。
テレビが放送を中断したため、視聴者はネット配信へ視聴を移行する。なんてシーンもまさに今のメディアのあり方などを上手く表現しています。
03:デビルマン軍団の結成方法
原作ではテレパシー能力を持つデビルマンが不動明の元に馳せ参じ、同じ境遇を持つデビルマンたちを集めるためテレパシー能力を使い、不動明の元へ集めていきます。
一方デビルマンCBでは、不動明の正体を知ってしまった牧村美樹が「悪魔の身体」と「人間の心を持つ」不動明(デビルマン)を信用し、ソーシャルメディアを使い全世界にデビルマン擁護を訴えかけていきます。
それを見た、不動明と同じ境遇だった世界中にいる隠れデビルマンたちは、不動明の元へ集まり、悪魔の身体と人間の心を持つ「デビルマン軍団」を結成することになる。
随分原作版とプロットが変わりましたね。現代の状況でしか表現し得ない物語の展開ですね。
時代が変われば表現も変わる
如何でしたでしょうか。46年前の漫画版と現代に蘇ったアニメ版。
他にも原作漫画から変更になった部分が多々あります。そんな違いを見ながら「DEVILMAN crybaby」観て、原作漫画を読み、比べてみるのも楽しいかもしれませんよ。