2016.12.02
2017.05.15
Webマーケティング
ロック板無しのコインパーキングで読み解く「誰を基準にサービスを展開するか」の重要性
最近大阪市内でもぽつぽつと見かけるようになったロック板もゲートも存在しないコインパーキングをご存知でしょうか。
方式は色々あると思いますが私が利用した駐車場では駐車スペースごとに小型カメラを搭載したポールが設置してあり、駐車しているナンバープレートを記録する仕組みのようでした。
車を出すときはロック式のコインパーキングと同様、 駐車スペースの番号を支払機に入力し料金を支払うとポールに設置されているランプが赤色から緑色に変わって後は車を出すだけといったものでした。
初めて利用した時は「不正利用されないのかな?」と利用者側の私が不安になってしまいましたが、 実際に利用してみるとゲートやロック板がないことの恩恵は多くとても快適に利用することができました。
不正利用は減少している
この方式のコインパーキングに関するニュースが先日アップされていました。 実はこの方式、従来式よりも不正利用率が少ないという調査結果がでたようです。
ユーザーからの評判もよく管理コストも抑えることもできるので、今後ますます導入されることが予測されています。
ロック板はなぜ生まれたのか
こうなってくると、そもそもロック板はなぜ必要だったのかを考えてしまいます。
ユーザーからも不評でコストもかかるのに当たり前のように定着していたのは、もちろん不正利用者対策であることは間違いありません。
実際ロック板形式のパーキングでの不正利用者は0.4%~1%といわれているようでロック板があるおかげでこの数値となっているという見方をするのは当然だと思います。
しかし、今回のロック板なしのパーキングは不正利用者は0.3%と従来式よりも低い水準をたたき出しました。
これは衝撃的な出来事だと個人的には感じています。
これまでのロック板方式は「正規利用者よりも優先すべき対策」つまり「不正利用者ありき」のサービスであったのに対して、 この方式は「正規利用者を優先したうえで行う対策」つまり「正規利用者ありき」のサービスへと生まれ変わりました。
さらに不正利用者も減少。
当たり前のように存在していた「ロック板をなくす」という発想と勇気はまさに革命といえるのではないでしょうか。
最後に
一部の不正利用者を意識するあまり、正規利用者のユーザビリティーを低下させてしまっているというケースはWebサイト上でも陥りがちです。
もちろん最低限の対策は必要ですが「誰のためにサービスを展開するのか」を改めて見直し、想定したユーザーが気持ちよく利用できるサービスを提供できているか、 改めて考えてみたいと思いました。