2016.03.15
2020.01.06
Webマーケティング
AIDMAからAISASへ、顧客行動プロセスの変化
マーケティングには、「AIDMA」と「AISAS」という戦略を決める上で参考にする法則があります。両者とも、消費者が商品を認知してから購買するまでの行動プロセスを説明した基本概念となるのですが、これらの言葉の意味や顧客行動プロセスの変化について書いていきます。
一般的な消費行動モデルの「AIDMA」
AIDMA(アイドマ)は、消費者が商品を知ってから購入するまでの一般的な購買行動プロセスとして位置づけられています。
- Attention(認知・注意)
- Interest(興味・関心)
- Desire(欲求)
- Memory(記憶・動機)
- Action(行動)
それぞれの言葉の頭文字を取って「AIDMA」となります。
AIDMAの購買行動
消費者がまず商品を「認知」し、その商品が自分に関係があるものと「興味」を持ち、自分の問題を解決できるから「欲しい」と思い、その商品の信頼性や実績で「記憶」「動機」へとつながり、そして購入という「行動」に移します。
つまり、マーケティングにおいては、この消費者の購買プロセスを知り、消費者が現在どの段階にあるのかを把握することで、その状況に適した戦略の検討に役立てることができます。しかし、消費者は人によって価値観や置かれている状況が異なります。そのため、同じコミュニケーションを行なってもターゲットによっては反応が大きく異なってきます。
そのため、「誰に向けたサービス・製品」なのか、ターゲットをしっかり選定することが重要になってきます。
経営戦略のフレームワークにも
AIDMAは経営戦略において問題を特定するためのフレームワークにも役立ちます。
たとえば自社の売り上げが伸び悩み利益が切迫している場合、売り上げの伸び悩みの原因はAIDMAのどの段階なのか?
- 自社のサービスは認知されているのか?
- ターゲットが興味を持つ訴求はできているのか?
- 購入したいという欲求は満たしているのか?
- 実績などでインパクトを与えられているのか?
- 購入や依頼はしやすいか?
これら切り分けた段階ごとに問題点を洗い出し、どの段階に問題があるかを明確にした上で改善方法を導き出すことができます。
Web時代の、消費者の購買行動モデル「AISAS」
AISAS(アイサス)は、AIDMAをインターネットが普及した現代に応用させたものであり、1995年に「電通」によって定義された消費者の購買行動プロセスです。
- Attention(認知・注意)
- Interest(興味・関心)
- Search(検索)
- Action(行動)
- Shere(共有)
同じく、それぞれの言葉の頭文字を取って「AISAS」となります。
AISASの購買行動
商品の認知から興味を持つところまではAIDMAと同じで、その後からの行動プロセスがことなります。
興味をもった商品の情報をインターネットで「検索」し情報を得て、購入という「行動」を起こしたのち、その商品についての感想や評価をSNSなどで他者に「共有」します。
「検索」と「共有」はもはや切り離せない項目
以前は他者の口コミ情報の取得は簡単ではありませんでしたが、今では、スマートフォンの普及によりインターネットの利用ユーザー層が急激に拡大し、誰でも簡単にGoogleで情報を「検索」したり、Twitterなどで情報を「共有・拡散」することができます。
また、多くの情報が得られることから、商品購入時には他者が共有した情報をより重視し吟味するようになっています。
現代のWebマーケティングにおいて、AIDMAの理論に加え「検索」「共有」というAISASの購買行動プロセスは、もはや切り離せない必須の項目と言えます。