2017.12.29
Webマーケティング
漫画単行本が売上激減?実際はどうなの?
先日こんな記事が各社で掲載されました。
漫画単行本の売上が前年比で12%減で、1996年のピーク時と比べると52%まで縮小するとの見通し。とのこと。
確かにここ数年出版業界の苦戦は続いており、最後の牙城である漫画もとうとう崩れようとしているのか…と記事を読むと思うのですが、実際はどうなんでしょう。
じゃあ電子版の売上は?というと伸びています
記事を読むと、この売上予想は「電子版」を除く「紙媒体」の売上です。
じゃあ電子版の売上はどうなんだい!(なかやまきんに君風)というと伸びています。
2016年度の電子書籍市場規模のうち、コミックが前年度から340億円増加の1,617億円(市場シェア82%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同51億円増加の359億円(同18%)となっています。
同記事の漫画単行本のグラフの推移をみると右肩上がりになっており、2011年度の514億円から2016年度には1,617億円と、3倍近く売上が伸びていることが分かります。
例えば下記の記事を読むと、売れるものはちゃんと売れています。
impressの記事では、5年後には3,500円規模に成長するのではという見解を示しております。つまり紙媒体の需要から電子媒体に移ってきているという「ユーザーの変化」の結果ではないかと思います。
出版業界の明日はどっちだ
しかし電子書籍が順調かと言うと、色々クリアしなければならない課題があるようです。
作家たちにその売上がフィードバックできているかというと、なかなか厳しいようですね。それぞれの出版社や作家が足並み揃え改革を進めていかないと、難しい時期に来ているのは間違いないようです。
あと最近話題になっているのが「漫画村」などの違法サイトの存在です。SNS界隈では小学生やその親にまで常態化してきていること。中には違法サイトと分かりながら利用しているという人達もいるようで、今後深刻な問題になりそうです。
結論
電子書籍の健闘もあるが全体的に下がってきている。
出版業界の時代に伴った改革速度、作家への利益還元や違法サイトの対策など、色々と課題が多い。そんな印象です。
あと根本的な問題ですが、漫画を一番購入する若者の人口減少というのも、大きい問題になっているのではないかと、個人的には思います。
最後に(蛇足)
現在、電子書籍は角川(Book☆Walker)、凸版印刷(BookLive!)、ヤフー(eBookJapan)に楽天(Kobo)、Amazon(Kindle)などなど様々なプラットフォーム(アプリやリーダー)があります。
こちらで購入したものがあちらでは読めない、なんてこともあるので、個人的には「本棚」は一つにして欲しいなあと思う今日この頃です。