2016.07.15
2017.05.16
Webマーケティング
ECサイトの発展で考えさせられる実店舗の役割
ここ数年、家電製品をネットで購入することがほとんどとなり実店舗に足を運ぶ機会が極端に減りました。
当初はショールーミング、すなわち実店舗に行って実物を確認してからネットで購入するという小売業者泣かせな事を やっていた時期も少なからずありますが、今ではそれすら行わず必要になったタイミングでスマホで「ぽちっ」と商品を購入することに何の抵抗もなくなっています。
そんな中、急きょ翌日までにハンディーカムを準備しなくてはいけなくなり、確実に入手するために実店舗に足を運びました。
実店舗に行くことで再確認した不平等感
店員のあたりはずれ
実店舗で商品を買う最大のメリットは、実物を確認できることと店員の存在だと思うのですが、広い店内に店員がものすごく少なく感じました。
やっと見つけたと思って声をかけると携帯やネット関連の外部スタッフで「商品のことは店舗スタッフに聞いてくれ」といわれ店員を探すのが大変でした。
やっとの思いで店員を見つけて商品説明をうけたのですが、その店員はハンディーカムは専門外とのこと。
そのため商品知識が頭に入っておらず、パンフレットをみながら音読するだけの接客をうけました。 それであれば初めから一人でパンフレットやネットで調べたほうがよっぽど効率的でした。
次に三脚を購入するために三脚売り場に足を運びました。
すると今度の店員はものすごく商品知識も豊富で、使用用途を伝えると最適な商品を3つほどピックアップして機能や値段の違いを詳しく説明してくれました。
このようなサービスを受けると、やっぱり店舗に来てよかったと感じることができます。
しかし店員のサービスが一定ではないということはユーザーにとっては平等ではないと感じてしまいます。
価格交渉
家電量販店で価格交渉をしない人もいると思いますが、一声かけるだけで端数カットしてくれたり、根気よく交渉するとSDカードなどの付帯商品を無料でつけてくれたりします。
昔はこれも家電量販店の楽しみ方の1つであったのですが、今の時代では不平等という認識を持つ人も多いのではないでしょうか。
同じ会社のネットショップと価格が異なる
足を運んだ家電量販店のネットショップと実店舗の価格が違うのはかかる経費をを考えると当然なのですが、ユーザーとしてはやはり統一してほしいと強く感じました。
今回感じた不平等感は、小売りの立場で考えると全てに事情があり、このような問題を打破するために日々思案されているのももちろん理解しています。
しかしユーザーの立場で考えると、この不平等感は実店舗に足を運ぶ回数を減らしている大きな要因なのではないかと思います。
実店舗とECサイトとの連動に関してはOtoOやオムニチャネルといった施策でこのような不満を解決できる糸口を各社模索していますが、組織の体制やスタッフの考え方を再構築する必要があり根本的な解決はまだ少し時間がかかりそうだという印象です。
個人的には売上を追いかけるのはECサイト、実店舗は顧客満足度やブランディングという役割分担が良いと感じていますが、簡単な問題ではないのが現実です。
当社でもECサイトの構築を行いますが、今後はもっと実店舗とどのように連携していくのかを考える必要があると強く感じました。
用語説明
OtoO(Online to Offline)
オンラインとオフラインのサービスを連動させ、会員カードを共通化したりオンラインで発行したクーポンで実店舗に誘導するといった施策。
オムニチャネル
全てのチャネルを連携させて(在庫なども含む)ユーザーにアプローチするといった施策。
具体的なイメージとしては、
実店舗だけで買い物をするのがシングルチャネル。
実店舗や通販、ECサイトなどで買い物できるがサービスの連動ができていないのがマルチチャネル。
あらゆる選択肢でいつでもどこでもシームレスなサービスを受けることができるのがオムニチャネルとなります。